ふじしろこうじのインドレポート


Last update:2000/08/01

2000年6月30日から約1ヶ月、仕事でインドに行ってきました。これはそのときに起こった出来事をまとめたものです。


クラクション

まず、驚いたのは車の運転の荒さである。空港前の駐車場ではぎりぎりの間隔で駐車しており、かつ駐車するための一時停止やバックをするための時間を相手に与える発想はまったく無い。5秒でピーとクラクションが鳴り、それでもだめなら「バカヤロー」と怒鳴り、15秒後には車から運転手が降りて怒鳴り込みをかけようとする。クラクションはまさに鳴らすために存在しているようで5秒に一回はどこかでピーピーなっている。
幹線道路も自分の走りたい速度で走るがポリシーのようだ。少しでも間隔がつまるとピー!。自分の前の前の車に対してもピーである。さらに合流してくる車も一時停止の概念は無いわけでこちらにお構いなしである。このため衝突を避ける意味でもピーとなるわけである。
感覚的には昭和30年代〜40年代の日本に似ているかもしれない。日本と同じ(正確にはイギリスと同じ)左側通行なので自分でも運転できるかなぁと思ったが、とてもじゃないが怖くてできそうにない。。。
また、車はディーゼルが多く道路は非常に排気ガスくさく深呼吸なんてもってのほか。東京都内の国道でゲホゲホやっているようではまだまだ甘いようである。
後日、いろいろと観察してみると基本的には、どけどけ〜のピーではなくうしろから近づいてるんだよと、親切に教えてやっているのだ。いうのがスタンスのようである。 


名前

インドでは日本と同じように苗字・名前の順番で表現するそうだ。
なので、現地での自分のe-mailアドレスは 苗字.名前@会社名.com となった。なんか逆に違和感を感じたのであった。


チップ

ホテルなどでチップを渡すにはいくら位が良いかきいて見ると10ルピー(約25円)以上はあげてはいけないとのこと。これ以上あげると何かにつけてサービスしようとしてくるのでわずらわしくなるらしい。 ただ、レストランなどの食事などやや高額になる場合には20ルピーくらい渡していたけどね。


物価

100円=約40ルピーとのことなので頭の中でルピーを2.5倍して換算するのだがこれを日本の物価と比較すると10倍近くは違う気がする。とすると先ほどのチップは250円の価値となり、確かにこれ以上あげたら良いカモになるわいな。
もっとも普通のホテル(三ツ星)は一泊約8000円。なんでこんなに高いかというと税金が平均35%くらい含まれているから。それでも部屋の広さは、同価格のホテルの2倍〜3.5倍の広さだから、まぁいいか。


オート力車

現地の人の発音では「オットルィキシャ」。スクーターを改造したもので、昔のオート3輪のようにハンドルはバイクと同様な形をしている。(つまり車のように丸いハンドルではない)これを簡易?タクシーとして利用されている。値段は普通のタクシーの1/10くらい。だけど運転手が英語を話せないことが多いそうなので要注意。 


停電

仕事先でパソコンを操作していると突然、部屋が真っ暗になった。パソコンだけは何事もなかったように動作している。ディスプレーがまぶしい。こちらの動揺を無視するかのように現地の人は何事も無かったように仕事を続けている。
ソフト開発会社なのでUPS装置がすべてのパソコンに設置されており復旧までの数分間はまったく問題がない。実際UPSが格納されている専用の「部屋」があり、数百台のコンピュータのデータはこれにより守られている。
宿泊先のHOTELでも停電があった。このときは持参したノートパソコンで作業をしていたのでまったく被害はなかった。ノートパソコンってバッテリでも作動するから結果的にUPSに機能を果たすのね。停電なんて数年に1度あるかないかという日本の状況(自分でブレーカをダウンさせた/定期検査除く)が当たり前と思っていたことが、実は(企業や人の)努力によって「作られていた」ことにあらためて気づかされたのであった。 


言語

 基本的にインド人の英語は「R」を「ル」と舌を巻くくらい強く発音する。たとえば、ナンバルワン(number one)、センタル(center)、など。ところが日本語を話すときにはきわめて日本人的な発音をする。聞いていてもまったく違和感がない。たどたどしさがなければ日本人が話しているようである。これはインド人の言葉にはあまりイントネーションがないので日本語の話し方に近いからだと思う。
しかし、日本語から急に英語に切り替えられると例の発音となり、とてもどまどってしまう。
さらになんだかわからない英語だなぁと思っているとタミール語(インド南部の言葉)だったりするのでますます混乱する。

ちなみにインド国内では比較的多く話されている言葉だけで20言語以上あるそうで基本的に言語の互換性はないそうだ。公用語は英語とヒンディ語で大学の授業はすべて英語で行うとのこと。
パソコン用のソフトはインド国内の言語をサポートするとそれだけで20言語に対応するローカライゼーションをしなくてはならないので、基本的に英語版をそのまま使っている。
蛇足になるがイギリスのかつての占領以前はインド国内は多くの独立した王国になっておりそのため言葉もばらばらだったそうだ。占領により今の領土が1つの国の扱いになり、独立後もこれがそのまま続いているとのこと。共通言語の確立という意味では意味があったようだ。
また、マドラスという地名は1996年にチェンナイに変わったがこれは占領前の本来の地名に戻したとのことである。

追記:
ちなみに「O」の発音はほぼ確実に「オー」となり、NOWは「ノウ」、「ベーレ・バーレ」が「Where」だったと気づくのにはほんとに時間が掛かった。


わかった? 

仕事先でシステムの説明をしていると20人ものメンバーが一様に何度も首を傾げている。
俺の英語はまったく通じてないのかぁ?とほほぉ(T_T)
ともかく言いたいことは言っておこうと最後まで説明した。
その後「私の言ったことはわかりましたか?」と聞くと
「ノープロブレム。よくわかった。」とのこと。
それではあのジェスチャーはなんなのかと聞いてみると
あれは、フムフムと考えているんだよ」とのこと。
いやはや、なんともお国が違うとしぐさも違うのねと実感。

TVコマーシャルその1

これはインドだけの番組でないのだがSUN Micro systemsやCisco internationalのCMは日本とまったく同じだった。ちなみにこのCMには日本語の字幕はない(当然)。


TVコマーシャルその2

現地で販売されている車のTVコマーシャル。
ある男性がディーラに出向き、新車をながめている。
すると、さらにある女性がやってきて店員に試乗したいと申し出る。
キーを借り、その女性は男性客に「一緒に試乗してみますか?」と聞き、同乗する。
最初はローカルな場所を女性がドライブ。
 (こんなに荒れた道でも大丈夫ということらしい)
次に男性が都心の渋滞した道路をすいすい走る抜ける。 
 (小回りがきいて加速も良い)
ひととおりのドライブが終わり、助手席の女性はシートをリクライニング。
 (う〜ん、リラックスできる広い車内)
そのあと、他人だった二人は車内で「Fall in Love」状態になってしまったようで、女性が窓ガラスを引っかく手が映される。
 (こんな用途でも快適です
試乗から帰ってきて、ディーラの店員が
「お二人ともたいへんお気に入りになられたようで、それぞれどちらのカラーがよろしいですか?」と聞くと
二人は一緒に「いいえ。一台で結構です」と答えたとさ。


お姉さん座り

現地の人のバイクの後ろに乗せてもらったのだが、通常二人乗りできるバイクにはパッセンジャー用に足を置く場所が場所がある。これは日本でも同じ。ところがこちらのバイクは左側の足置きがとても大きい。
なぜかと思ったがなぞはすぐに解けた。それは現地の女性はよくバイクのうしろに乗っているのだが、このときの乗り方がいわゆるお姉さん座り。こちらの女性はサリーなどの服装が多いのでバイクにまたがって乗るのが難しい。そこで体を左向きにして両足をそろえて乗る(座る)わけだ。なので左側の足置きは両足が置ける大きさになっているのだ。

今日は良い天気

現地の人が「今日はいい天気ですね」と言う。
ん?と思って空を見上げると、どんよりとした曇り空。
「なんで?」と聞くと、
インドでは日差しが強くなく暑くない天候を良い天気と言うそうだ。

日本食

現地のひとに有名な日本食レストランがあるというので、連れて行ってもらった。
久々の和食だぁ!刺身だぁ!寿司だぁ!味噌汁だぁ!と喜んで食べはじめたのだが。。。
確かにおいしいことはおいしい。しかしなんか物足りない、全般的に味が薄いのだ。やっぱりインドで和食は無理があるのかなぁと思ったが、結果は違った。すでに一ヶ月インドの食事に接している自分の舌が変わっていたのだった。こりゃ日本に戻ってからもしばらく食事が物足りない日々が続きそうだなぁ。

ボーリングセンター

市内にボーリングセンターがいくつかあり、その中の1つに行ってみた。屋内はボーリングのほかにゲームセンターやビリヤードなど日本とほぼ同じ内容。ただ驚いたのはレーンの数。なんと4つしかないのだ。日本の15も20レーンもあるのに見慣れたものにはまるでプライペート用か思うほど。インドではボーリングはまだそれほどメジャーではなく、4レーンで十分だそうだ。値段は1ゲーム100ルピー(約250円)。日本円で考えるととても安いが現地の人のルピーではかなり高い。だってコーラ(300ml)が10本以上買える計算。日本でも1ゲーム1200円と考えれば高いもんね。
なお設備自体は日本とほぼ同じでコンピュータで自動的に集計するタイプ。ところがあまりメンテナンスされてないので投げたボールがよく詰まる。だからお気に入りのボールがぜんぜん戻ってこなくて、全然重さが合わないボールで続投したりなかなか楽しいゲームだった。
前述の通りあまりメジャーではないのではじめてやる人が結構多く、その投げ方はさまざま。前後に振り子のように振りながら勢いをつけてから投げる人、軽いボールを力いっぱいバウンドさせながら投げる人などなど。
それからゲームセンターは日本の古い機種をそのまま持ってきているのでところどころに日本語の説明表示があった。コインを投入するところには「100円」の文字が。。。(でも1ゲーム10ルピーだったけど)
(スナップショット)


インドのくるま編はこちら



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